映画批評

いろいろ映画がある中で意外と知られていない名作と

有名だけどちょっと古い名作に注目してみたいと思います。

昔はTVで戦争映画を良く放映していましたが、

最近はめっきり減ってしまいました()

内容

l  ワイルドバンチ

l  ダークストリート<仮面の下の憎しみ>

l  必殺処刑コップ

l  ナバロンの嵐

l  特攻大作戦

l  レマゲン鉄橋

l  ワイルドギース

l  砂漠の戦場/エルアラメン

l  グローリー

ワイルドバンチ

原題 The Wild Bunch

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ストーリー

1次世界大戦直前の米国南西部。地域によってはまだ西部開拓時代の色彩が色濃く残っていた。米国陸軍に変装した強盗団は駅舎に侵入、貨物列車から搬入されたばかりの銀貨を強奪しようとするが一足先に待ち伏せていた鉄道公安官と賞金稼ぎの一団に包囲される。一般市民を挟んだ大銃撃戦の末、辛くも逃走に成功。しかし強奪した物はただの鉄製リングだった。銀貨輸送は強盗団逮捕のために鉄道公安官が流したウソだったのだ。

次に強盗団は米軍物資輸送列車を襲撃する。大量の武器弾薬を強奪して国境を越え、メキシコ軍に売りつけようというのだ。まんまと強奪に成功した強盗団はメキシコ軍に米軍武器を現金で買い取ってもらい、ほなサイナラというところで暴力団まがいのメキシコ軍人に言いがかりを付けられ、仲間の1人を逮捕されてしまう。金さえもらえば仲間の1人や2人、まっいいか。というわけにもいかず、仲間を奪回する為たった4人で400人体制のメキシコ軍駐屯地に殴り込みをかける。

かくして4人対400人の死闘が始まった・・・。

解説

西部劇なのか犯罪アクションなのか戦争物なのかビデオ屋さんでは置き場所に困る映画だと思います。一応、カテゴリーとしては西部劇になるかも知れません。公開当時は稀に見る激しいアクションと大量殺人に対して非難ゴウゴウだったそうで「こんなもん西部劇ではない!」と酷評されたそうです。

強盗団の武装も面白くなっています。設定した年代にもよりますが西部劇ではたいてい、

拳 銃:回転式45口径

散弾銃:水平2

機関銃:ガトリング銃(手動連発式)

ということになっていますが、この映画では

拳 銃:コルト.45ガバメント

散弾銃:ポンプ式5

機関銃:ブローニングM1917(ベルト給弾式)

となっています。当然(?)手榴弾も登場します。

みどころはやはりラストの4人対400人の死闘でしょう。当時新兵器だった機関銃の威力を知らないメキシコ軍兵士達が次々と倒れていきます。まるで203高地でロシア軍と戦った日本軍のようです。唯一、機関銃を知っていたドイツ軍の軍事顧問がその場にいましたが真っ先に射殺されてしまいます。それからはスローモーションの美学といわれるサム・ペキンパー監督の手腕がフルに生かされていると言ってもいいシーンが展開します。

 

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「ダブルボーダー」みたいなシーン(笑)

 

激しいアクション映画が公開されるたびに「あのワイルドバンチを越える・・・」というキャッチコピーが使われたりしますが、今まで実際にそういう映画を見たことがありません。しかしこの映画のストーリーをよく考えてみると登場人物全員が悪者ですね(笑)。DVDは劇場公開版やディレクターズカット完全版等いろいろリリースされています。いずれか1つでしたら容易に閲覧可能なので、早速ビデオ屋さんに行ってください。思い切って買ってしまうのも良いでしょう。

 

ダークストリート<仮面の下の憎しみ>

原題 DEAD PRESIDENTS

image013注:このパッケージは海外版DVDです

ストーリー

ベトナム戦争も終盤に差し掛かかった1970年、米国の敗色濃い中アンソニー(ラレンズ・テイト)は周囲の反対を押し切って軍への志願入隊を決意。高校を卒業と同時に海兵隊員となってベトナムへ出征した。偵察員として数々の危険な任務に従事し、頼りにしていた上官の戦死や戦友(クリス・タッカー)の薬物依存症にショックを受けながらも、彼は生きて故国へ帰還することができた。しかし帰還した彼を待っていたのは世間からの冷たい仕打ちであった。米国が初めて味わう負け戦の帰還兵はイジメの格好の的になっていたのだ。そこで就職もままならない彼のところへ旧友からとんでもない話がやってくる。なんと現金輸送車の襲撃計画であった。戦友仲間や友人知人を集め、いざ決行というところでトラブルが発生し、警備員と銃撃戦になってしまう。予想外の展開にアンソニー達がうろたえている間にも、パトカーが次々とやってくる・・・。

解説

当然の事ながら原題とは全然違う邦題が付けられています。ベトナム戦争の回想シーンがやたら長いのでつい見てしまいました。本当は1人の少年の転落した半生を描いた映画なのに、戦闘シーンだけは妙に凝ってしまっていて、完全にマニア受けを狙った物ではないでしょうか(笑)。

回想シーン前半では隊員の多くがM16初期型を使用して、後半ではM16A1になっています。また、一部の米兵がM3機関短銃を所持していたり、当時「伏せ字」だった散弾銃を所持していたりします。戦争映画以外だと結構いい加減な出来上がりになるのが普通ですが、装備は海兵隊のマニュアル通りに装着されていたりして、ほぼ完璧な考証が行われていると言っていいでしょう。偵察員らしくものすごい重装備をしていて、全員がARVNパックをぱんぱんになるまで詰め込んでいます。特筆すべきは休憩時に全員外向きに座って居たことだと思います。意外な話ですが、休憩時に奇襲されて全滅した例は多数有るそうです。全員がピクニックのように内側を向いて車座になっていると、周囲への警戒がうすれ、簡単に全滅してしまうので外側を向くように指導しているのが普通です。この映画では見事に全員が外向きでした。残念ですが、ビデオ化されているもののレンタルされている例は大変少なく、筆者もビデオ屋さんを6軒巡ったところでやっと発見しました。しかも国内ではまだDVD化されておりません。とても残念です。

 

■追記 海外では既にDVD化されています。筆者もようやく入手出来ました。国内盤はやく売ってくれー。

 

必殺処刑コップ

原題 EXTREME JUSTICE

image016注:これは映画のチラシです

ストーリー

深夜のリカーショップに強盗が入った。犯人はあっさりと店主を射殺。金品を強奪し鮮血にまみれる店主を後目に犯人が店を出た瞬間、四方八方から銃撃を受け犯人が倒れた。銃撃したのはロスアンジェルス市警察特別捜査班、通称SISだった。彼らの任務は再犯を繰り返す凶暴な人物を出所時から尾行し続け、凶行に及んだところで即時逮捕することである。ただ、実際の任務を語るには少々修正しなければならない。それは「即時逮捕」ではなく「即時射殺」である。彼らは特別機動隊(SWAT)よりも多くの犯人達を射殺している、いわば処刑部隊なのではないか?

パワーズ刑事は正義を追求するあまり行動が過激になりがちだがSISの活動に疑問を持ち始める。それに対し容赦なく任務を遂行する上司のボーン刑事。その上司は主人公の恩師でもあった。やがて少年犯罪に直面したとき、2人は激しく対立する・・・。

解説

例によって原題と邦題は全然違います。主演は「ラ・バンバ」や「ヤングガン」のルー・ダイアモンド・フィリップスと「ザ・キープ」(こんなの知っている人いないよね)のスコット・グレン。監督はマーク・L・レスター。女性記者役の名前は忘れましたが梅○アンナにちょっと似ていました(チェルシー・フィールドという人らしい)。この映画を見る数年前、私は深夜のニュース番組で驚くべき事実を知りました。ピーター・バラカン氏がキャスターをしているCBSニュースだったでしょうか、何気なくテレビをつけたら放送していたので見ていると「SISが・・・。」と何度となく言っていたので「何だろうな。」と思いつつ見続けてしまいました。

SISとはSpecial Investigate Section の略で、ロスアンジェルス市警(LAPD)に1965年から常設されている部署だそうです。CBSニュースでは銀行強盗をした夫婦が逃走しようとしたところ、突如銃撃を受けて夫が死亡。妻が重傷になったという話題を放映していました。妻の証言によると「サイレンも聞こえず、パトカーも来ていなかったので簡単に逃げられると思っていた。銃声がした後、夫が倒れたので何事か思っていたら自分の口と鼻から血が噴き出してきた。気がついたら警察病院だった。」とのこと。SISは強盗夫婦を尾行して犯行を見届けた後「即時逮捕」しようとしたのです。当然、SISによる警告無しでの発砲に非難の声が挙がったのですが

「犯人が複数で、なおかつ武装していたのでやむを得ない処置。」

という一言で片づけられ、また、尾行していたのならば犯行を未然に防げたのではないかという声に対しては、

「それでは未遂罪になってしまう。実行犯でないとすぐ出所して再犯に及んでしまう。」

ということで片づいてしまったそうです。しかし、監察医が重大な発見をしました。

「射殺された犯人の足の裏にも弾痕がある。これは倒れてもなお銃撃された証拠だ。」

これで一大論争になって、ついにTVネタとして公開されてしまったわけです。責任者らしき警察官がTVのインタビューに答えていました。

「銀行内で被害に遭った方々には大変申し訳ないと思っています。本当にすみませんでした。でも、2度と彼らは犯行に及びませんから大丈夫です。未然に防いだところで未遂罪ですからすぐ釈放ですよ。彼らを野放しにしてもいいのですか?

なんだかCBSニュースネタばかりになってしまいましたが、この映画はこうした実話を基に作られているようで、知らない人には結構ショックだと思います。海外では既にDVD化されていますが国内ではまだ見かけません。中古のVHSは出回っているようです。TV吹き替え版でいいからDVDで売って欲しいなぁ。

ナバロンの嵐

原題 Force 10 from NAVARONE

image018注:このパッケージは海外版DVDです

ストーリー

2次大戦のさなかナバロン要塞に設置された独軍の海岸重砲を破壊するため、英軍は特攻隊を編成。要塞内部に潜入させて爆弾を仕掛け見事破壊に成功した。2名の兵士が奇跡的に生還し、そのうちの1人マロリー少佐(ロバート・ショウ)はその後英国でしばしのあいだ後方勤務となり、もう1人のミラー伍長(エドワード・フォックス)は退役した。しかし2人は突如軍司令官より呼び出しを受ける。そこでとんでもない作戦が伝えられた。その内容は、

「ユーゴスラビアに潜入し、パルチザンになりすましている独軍スパイを“処分”せよ。」

というものだった。コードネームをニコライというスパイはレスコバー大尉と名乗りパルチザンの信頼を得ているそうである。以前、彼はギリシャでマロリー少佐を裏切った男であった。しかし当時のユーゴは独軍支配下にあるので潜入は困難、脱出も困難。そしてどうやってスパイを捜索するのか。いくら何でも無理難題である。しかしニコライに対する個人的な恨みはマロリー少佐を動かすに充分だった。一方、すでに退役したミラー元伍長は曹長に昇格するからと言うことで容易に再招集となった。

作戦は違うが目的地を同じにする米国陸軍第10特殊部隊に2人は同行し、英軍爆撃機を調達してユーゴへ飛んだ。当然のことながら国境を越えるや否や独軍戦闘機の攻撃を受けて特殊部隊の大半が機内で被弾し戦死。マロリーとミラーは炎上する輸送機を捨てて命からがら落下傘降下した。特殊部隊の生存者は指揮官のバーンズビー中佐(ハリソン・フォード)と隊員1名、そしてドサクサ紛れに随伴してきた衛生兵(カール・ウェザース)だけであった。5人が途方に暮れて歩いていたところ、第17パルチザン連隊隊長を名乗る大男(リチャード・キール)が大勢の部下を引き連れ、5人を出迎えてくれた。が、実は彼らはチェトニクで5人を直ちに拘束し捕虜として独軍に引き渡してしまう。マロリーとミラーは独軍の取り調べでウソ八百を並べ立て、どうにか脱出に成功するが行くあてがない。仲間の3人を残している上、満足な装備もない。そこに偶然本物のパルチザンが通りかかり、ああ助かったと思いきや先頭で指揮を執っていたのはレスコバー大尉だった・・・。

解説

今考えればものすごく豪華なキャストです。前作の俳優陣は1人も出演してはいませんが、これだけの役者が揃えば充分ですね。他の映画を無理やり繋げて後日談が作れるくらいです(笑)。内容も充実しており、戦争アクションでありながらスパイを暴くサスペンス感覚(?)もあり、奇想天外な作戦行動では冒険感覚もあります。この映画は前作「ナバロンの要塞」と比較されるたびに酷評されていますが、私個人としては大変気に入っています。どういう訳か本作品はDVD化されていません。前作がDVD化されているだけに残念です。しかしビデオとしては結構流通していますので、ビデオ店へ行けば容易に閲覧できると思います。

この映画は音楽も素晴らしく、オープニング曲を1度聞くとなかなか耳から離れません。運動会の入場行進曲として使えるくらいの完成度です()

 

■追記その1

国内版DVDは新規吹き替え入りで販売されました。

■追記その2

サントラ盤はカバー版とオリジナル版と色々有るようですが、筆者は海外からオリジナル版を入手出来ました。表紙には「お前がレスコバーだと解っていた。証拠が無かっただけだ。」という台詞が書かれています。

 

特攻大作戦

原題 The Dirty Dozen

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ストーリー

Dデイ直前に最多数の独軍将校を殺して指揮系統を混乱させよ。」という命令を受けたライズマン少佐(リー・マービン)は、米陸軍の中でも規律違反を繰り返すので上官達から嫌われていた。「こんな作戦を命令するとは、上層部におかしな人が居るのでは? 」と反発する少佐に対しウォーデン少将(アーネスト・ボーグナイン)は「軍人ならば命令には絶対服従。戦死は名誉である。」と言い切る。少佐が反発するのは無理もない。何しろノルマンディ上陸作戦前夜のフランスに夜間落下傘降下し、警戒厳重な独軍の高級将校クラブを襲って来場者全員を殺せというのである。しかも部下として連れて行っても良いのは陸軍刑務所に収監されている12人の囚人のみ。いずれも軍法会議で死刑や禁固刑などの刑を宣告された重罪人達ばかりで、ひょっとすると作戦中に逃亡を図ろうと少佐に襲いかかるかも知れない。結局、陸軍として以下の条件を提示し無理やり少佐に承諾させた。

 

1.作戦成功の暁には特赦として全員の刑を帳消しにする。

2.作戦中に死亡した場合は名誉の戦死扱いとする。

3.訓練には憲兵隊が全面協力する。

 

とはいうものの規律もヘッタクレもない彼らを短期間で鍛え直し、無事に作戦を成功させるのは至難の業である。

解説

冒頭から陸軍刑務所での処刑シーンが出ます。銃殺刑かと思いきや、絞首刑なんですよこれが。

武装が面白く、全員がM3機関短銃(いわゆるグリースガン)を所持しています。落下傘降下した後は屋内で戦闘するので、最適といえば最適ですね。作戦内容は今で言う特殊部隊と同じ事ですから、不思議はないでしょう。しかしトンプソンやM1カービンが全編を通して全く出てきません。演習シーンでM1ガーランドがちょこっと、しかも発砲無しで出てくるくらいです。なんか変ですが気にしないで見てください(笑)。

俳優陣はかなり豪華で、なんとあのミスター自警団ことチャールズ・ブロンソンも出演しています。服役の理由は「敵前逃亡した上官を射殺した」という罪状で、こんな所でも自警団やってるなぁと感激しました。

 

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敵軍将校になりすましたミスター自警団

「後ろから撃つとは卑怯な!」

と言ってはいけません

 

刑事コジャックで有名なテリー・サバラスは精神異常者として怪演していますが、これは滅多にお目にかかれない映像で、ラストでは笑ってしまいます。不良の代名詞みたいなジョン・カサベテスもちゃんと不良っぽく演じているので実に楽しいです。当時フットボール選手だったジム・ブラウンはこの映画が初出演だったそうです。確かにラストで手榴弾を投げながら突っ走るシーンは格好いいです。今売れっ子のキーファー・サザーランドの父親であるドナルド・サザーランド(親子の区別が付かないくらいにクリソツ)も好演していて、こうしてみると昔の映画って豪華だったんだなぁと実感しました。車両や装備も全て当時の本物をロケ地のイギリス中からかき集めて使ったそうで、監督の「凝り性」がうかがえます。独軍がM2重機を使っていたり、タイガー戦車と称してM4T34を走らせたりする映画が多い中、これはもう感心するばかりです。

本作品はDVD化もされていて、昔のTV吹き替え入りも販売されています。余談ですが続編が2本くらいTVシリーズとして制作されています。

 

レマゲン鉄橋

原題 THE BRIDGE AT REMAGEN

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ストーリー

2次世界大戦末期、敗色濃いドイツは戦争目的を欧州征服から国土保衛に変更。国境となるライン川に架かる橋全てを破壊すると決定した。破壊の任に当たったドイツ国防軍のフォン・ブロック将軍は味方の退路を確保しておきたいと考え、オーバーカッセル橋の破壊を延期してしまう。負傷した独軍兵を後送する列車が橋を渡りきったところでようやく爆破したものの、将軍は陸軍元帥から厳しく叱責された。そして残る橋はレマゲン鉄橋ただ1つしかないが、それも早急に爆破せよとの命令を受ける。しかし前線にはまだ撤退中の第1575000人が取り残されていた。将軍は第15軍が撤退を終了するまでレマゲン鉄橋の爆破を延期して欲しいと元帥に進言するが却下されてしまう。そこで将軍は旧知の部下であるポール・クリューゲル少佐(ロバート・ボーン)を呼び寄せ、爆破の指揮を執らせることにした。当然、第15軍が撤退するまで橋を維持させることが目的である。将軍の意図を察した少佐は直ちにレマゲンへ急行するが、配備されているはずの守備隊1600名は200名に削減されており、機甲部隊も他へ移動されていることに憤慨する。88ミリ砲4門と砲兵が残されていたが、火力不足を懸念した少佐は直ちに機甲部隊の再派遣と空軍による支援を将軍に要請。だが、これも断られてしまう。少佐は八方ふさがりの中、装甲車両を先頭にして迫ってくる米軍の大部隊を迎え撃つべくあらゆる手段を講じて徹底抗戦することを決意した。

かくして米独両軍がライン川を挟んで激しい攻防戦を展開する・・・。

解説

前述のストーリーを読むと独軍が主人公のように見えますが、これは米軍を主人公にした映画です(笑)。

周囲がダメづくしとなった中でも指揮を執らねばならないという辛さは、中間管理職の方ならばどなたでも容易に理解できると思います(涙)。少佐が「戦車はどうなってるんですか?! 謝られても困ります!」と将軍に詰め寄る姿はどこの会社でもよく見る光景でしょう。

この映画では珍しくパンツァー・ファウストの射撃シーンが見られます。そして米軍のジープや戦車が撃破されていきます。それに対して米軍側に対戦車火器が全く出てこないので「あり?」と思ってしまう人もいるかも知れませんがあまり気にしないように。まぁ、独軍の装甲車両が出てこないので当然と言えば当然ですね。

市街戦やら何やら見所が随所にあるサービスいっぱいの映画ですが、やはり注目すべきは橋を巡る攻防戦でしょう。橋の両端に独軍と米軍がそれぞれ陣取るといった感じになって一進一退の戦況が続きます。独軍側には小銃と機関短銃の他に軽機や重機が多数配置されています。

 

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4挺並ぶMG42

 

それに対し、狭い橋の上をそこに向かって一直線に突入する米軍側にはM1カービンだけ(ほかにはトンプソンとBAR1挺ずつ)という貧弱なものですから、当然悲惨な結果になります。米軍を援護する迫撃砲も大した効果になっていませんから、私が米軍側ならやりたくない任務ですね(苦)。

この作品は字幕オンリーでDVD化されましたので比較的容易に閲覧できると思います。出来れば吹き替え版も作って欲しいです。

 

ワイルドギース

原題 The Wild Geese

image026注:このパッケージは海外版DVDです

ストーリー

アフリカ某国で軍事クーデターが発生。首謀者エンドーハ将軍は独裁国家樹立をもくろみ、国民の支持率が高いリンバニ大統領を逮捕してしまった。イギリスの大実業家マターソン卿(スチュアート・グレンジャー)はリンバニ政権下で銅山を所有していたが、新政権に没収されてしまうことを懸念し密かにリンバニを国外脱出させようとした。しかし脱出する航空機がハイジャックされ、リンバニは連れ戻されてしまう。そして今まで以上に監視の厳重な軍事施設に監禁されてしまった。マターソン卿はもはやリンバニ救出には強力な軍事行動による手段しかないと判断。傭兵の中でも有名な指揮官アレン・フォークナー大佐(リチャード・バートン)を呼び寄せた。

フォークナー大佐は天才作戦家レイファー・ヤンダース大尉(リチャード・ハリス)と敏腕飛行士ショーン・フィン中尉(ロジャー・ムーア)、そしてショーンの紹介でやって来たベテラン士官ピーター・コエジー少尉(ハーディ・クリューガー)を中核とした50名から成る傭兵部隊を編成し、厳しい訓練期間を経た後アフリカへ飛んだ。部隊は高々度降下低高度開傘で誰にも気づかれることなく監禁施設近くで着地し、ヤンダース大尉の立てた作戦通り、2班に分かれて静粛かつ敏速に行動した。第1班は監禁施設を襲撃し、守備兵200人をシアン化ガスで一人残らず「無力化」。あっけなく制圧してリンバニ大統領を救出。第2班は脱出ルートを確保するため監禁施設近くにある空港を襲撃し、守備兵全員を射殺。これまた短時間で占拠した。あとはリンバニ大統領を連れた第1班が空港に来て第2班と合流し、帰還用に手配した輸送機が来るのを待つだけであった。

しかし遠く離れたイギリスでは異変が起きていた。なんとマターソン卿がエンドーハ将軍の使者と直談判し、銅山の利権を確保してしまったのだ。こうなるとリンバニ大統領や傭兵達は不要になってしまったわけで、支払う報酬が惜しくなったマターソン卿は輸送機に人員の収容を中止するよう指示してしまう。目前で輸送機にUターンされてしまった傭兵達は呆然として立ちつくすが、ボヤボヤしては居られない。エンドーハ将軍の武装親衛隊が大挙して押し寄せてきているのだ・・・。

解説

最高の映画です。

傭兵物は数多くありますが、これほどの映画は他にありません。スピーディに展開するストーリーとアクション。サスペンス映画顔負けのどんでん返し。絶妙にマッチする音楽。どれをとっても文句なしといえます。但し監督のアンドリュー・V・マクラグレンは「戦場に架ける橋2」でも解るように、有色人種を単なる野蛮人と思っているようで、残酷な描写がちょっと出てきます。筆者が初めてこれを見たのは小学生の時でした。確かテレビの○○映画劇場とかいう番組で放送枠を24分延長し、殆どカットしないで放送していた覚えがあります。その夜は興奮して寝られませんでした(苦笑)。

傭兵部隊の装備は現用英軍(70年代当時)そのもので、DPM迷彩にベレー帽がすっごく格好いいです。正式な軍隊と違うのは武装が個人の好みで違っているということくらいです。さながら銃器のオンパレードのようでした。なかでもUZIが多く、他にはFN-FALやらマドセンやら、はたまたクロスボウからブレン機関銃まで多種多様に見られます。手榴弾で敵兵が空中高く吹き飛びますが、これはご愛敬といった所でしょうか(笑)。オープニングとエンディングが007シリーズに酷似していますが、ロジャー・ムーア全盛時代(しかも似たよーなキャラで出演してるし)ということを考えると仕方のないといった感じですね。

この映画は比較的新しい作品であり、人気も高いはずなのですが既にビデオは廃盤となっており、DVD化もされていません。筆者は別の作品を捜索中に偶然発見しました。レンタルされてはいるものの、在庫の確率は大変低いと思います。残念で仕方有りません。しかし海外ではVHSDVDの両方が販売されており、今も尚大変高い評価を受けています。

そう言えばこの手のストーリーって最近の映画では多いですね。

小部隊が敵地で極秘作戦をしていたところ最初は好調だったがだんだん雲行きが怪しくなり、最後は多数の敵に囲まれて命からがら脱出する・・・ってどこかで聞いたこと有りません?(笑)

 

  追記その1

情報提供してくれた怒羅軍曹殿は映画にも造詣が深く、「ベテラン兵の“トッシュ”が所持している銃はFN-FALの銃身を短縮した物で、なおかつ大型弾倉と望遠照準器を装着していた。彼はNAM戦帰りのSAS隊員だったのでは? 」という貴重な御意見を頂戴しました。そういうわけでビデオを繰り返し見たところ、確かに面接シーンで空挺出身と言っていました。字幕ではかなりの部分を略しているので注意して聞いてみたのですが、SASかどうかまでは聞き取れませんでした(泣)。情報提供ありがとうございます。

 

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トラックの荷台後方から対空射撃をするトッシュ達(左)

短銃身のFALに大型弾倉と望遠照準器が付いています(右・拡大)

 

  追記その2

激レア物の映画パンフを提供してくれたシールズ鈴木君に感謝!

忘れかけていたストーリーの整理に大変役立ちました(嬉)。ありがとうございます。

しかしよく見つけたなぁ。

 

  追記その3

サントラは昔レコードで有ったかも知れませんが、あんまり覚えていません(苦笑)。

というわけで海外版のCDをゲットしました。訓練教官サンディ曹長殿の怒鳴り声が入っています。

全てオリジナルサウンドを使用しており、変な楽団によるカバー演奏ではありません。

 

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CDケース表側(左)と裏側(右)

 

  追記その4

ついに海外版のDVDをゲットしました!

リージョン2なのは良いのですが英国仕様なのでPAL規格なのですよ()。普通のデッキでは再生できず、しょうがないのでいろいろと買い物をしてしまいました。当然のことながら字幕はありませんが既にセリフを丸暗記しているので問題有りません()

 

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パッケージはCDサイズではなく縦長サイズです

欧米物はこのサイズ(トール版って言うの?)が多いですね

↑これは裏側

 

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中を開けるとこんな感じ

ピクチャーディスクという物でしょうか

公開当時のポスターと同じ絵が印刷されています

 

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しつこいくらいに表示されている15禁マーク

激しい言葉遣いと暴力描写がその理由みたいです

海外では戦争映画のほとんどがR指定

 

唯一難点なのは、画質が良すぎて必要以上に明るくなってしまっている事です。深夜の寝込みを襲う内容なのに、まるで昼寝中を襲撃しているようでした。

嬉しいことにボーナストラックとして公開直前の試写会らしき映像が入っています。元気だった頃のリチャード・バートン(カミさん超美人!) やリチャード・ハリス、ハーディ・クリューガー等が正装して映画館へ入っていく姿はカッコイイです。また、近年撮影された出演者インタビューも入っており、ちょっと年を取った教育曹長サンディや衛生兵ウイッティの役者さんがいろいろとトークしています(筆者の英語力が無いため質疑応答の内容は不明っす・・・泣)。

 

■追記その5

フォークナー大佐の役を見事に演じたリチャード・バートンは1984年スイスにて脳溢血で他界。「荒鷲の要塞」や「ロンメル軍団を叩け」でも癖のある軍人役で好演していました。

天才作戦家レイファーことリチャード・ハリスは「ハリー・ポッター」でも大活躍していましたが2002年、悪性リンパ腫でロンドンにて他界。享年72

 

砂漠の戦場/エルアラメン

原題 LA BATTAGLIA DI EL ALAMEIN

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ストーリー

2次大戦中のアフリカ戦線で独英両軍がしのぎを削っている中、ロンメルが南部陣地と呼ぶ砂漠の要害が有った。それは以前独軍が構築したものの現在無人の状態であった。しかし、あたかも有人であるかのような偽装を施されていたため英軍はそれを知らず24時間にわたって砲撃を加えてしまう。後に偵察隊の報告によって弾薬の浪費に終わったことを知る結果となった。そこで英軍は無人と知るや陣地をそっくり頂戴しようとスコットランド歩兵1個連隊を派遣して悠々無血占領をもくろんだ。だがそれを察知し密かに布陣していた伊軍フォルゴーレ空挺師団第4中隊が襲いかかり英軍連隊は壊滅的打撃を受けて敗走。さらには連隊長までもが伊軍に捕らわれてしまう。

こうした伊軍の奮闘をよそに、独軍では戦線縮小と撤退の準備が始まっていた。ロンメルは独軍が撤退する時間稼ぎのため隷下の伊軍を犠牲にしようと画策し、南部陣地での徹底抗戦を命令してしまう。

友軍を撤退させるため捨て石となることを悟ったフォルゴーレ隊は文字通り孤軍奮闘し、勇戦した。それに業を煮やした英軍は戦車主力の大部隊を送り込み一挙奪取を試みる。次第にフォルゴーレ隊は兵員弾薬ことごとく消耗し、風前の灯火となっていった。

ついに第4中隊指揮官ジョルジオ・ボッリ中尉は玉砕を覚悟し、捨て身の戦いを決意する・・・。

解説

肉攻(肉薄・肉弾攻撃)は日本軍だけのものではないということを思い知らされる映画です。しょっぱなから英軍の機関銃陣地に対して伊軍が銃剣突撃しています。またその際、日本軍のように指揮官が先頭に立っているため真っ先に指揮官が戦死します。

敵の圧倒的物量に対し肉攻で立ち向かうというのは大変悲惨なものです。対戦車火器も無く撤退も出来ないという状況下で、味方の埋設した地雷を掘り起こして対戦車攻撃に転用するという臨機応変な判断はなかなか出来ません。手にしているのは前述の地雷と工兵の遺棄していったダイナマイト、そして急ごしらえの火炎瓶だけです。なんと言っても戦車を一旦通過させてから後部エンジンフードに火炎瓶を投げつけるという荒技は怖くて出来ません。

 

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英軍戦車に特攻するボッリ中尉

 

大変珍しいことにこの映画では伊軍対英軍の戦車戦が見られます。フォルゴーレ師団を支援するため伊軍アリエテ師団から戦車1個大隊が派遣されてくるのですが、英軍と比較し戦車の火砲や装甲が劣るらしく、見ていた伊軍下士官が「これじゃあ象と蚊の戦いだ。」とつぶやいていました(悲)。最後に伊軍戦車隊指揮官が師団司令部宛に「我が大隊全滅せり」と訣別の無線を発し、英軍部隊へ突入して自爆する姿は見事な敢闘精神です。日本軍では「サクラ・サクラ」の無電といったところでしょうか。

最近リメイク版(?)が作られたようでタイトルも似ていますが悲壮感に欠けていますのでいまいち好きになれませんでした。

グローリー

原題 Glory

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ストーリー

兵力火力共に優勢な南軍を前に北軍は苦戦を続けていた。奴隷廃止論者の父を持つロバート・グールド・ショウ(マシュー・ブロデリック)はボストンで裕福な暮らしをしていたが北軍に志願入隊し、母への手紙に「今日もまた友軍撤退の報が・・・。」と書きつづる日々が続いていた。ある日、大尉に昇進した彼はアンティタムの戦いで歩兵1個中隊を指揮することとなった。しかし南軍陣地に正面から銃剣突撃を仕掛けてしまい壊滅的打撃を受けて敗走。ショウ大尉自身も負傷してしまう。その後、治療のため一時帰郷した際に州知事から大尉は意外な申し出を受ける。

「マサチューセッツ歩兵第54連隊の指揮官になって欲しい。黒人だけの連隊だ。」

大佐となったショウ連隊長は旧友フォーブス少佐(ケリー・エルウェズ)や鬼のような訓練曹長と共に、奴隷出身のまさしく“右も左も解らない”黒人達を立派な兵士に鍛え上げ、実戦参加の機会を待った。しかし来る日も来る日も後方作業に従事させられ一向に前線へ行かせてもらえない。業を煮やしたショウ大佐は軍上層部に直談判し、ようやく第54連隊は最前線へと配置されることとなった。ジェームズ島の戦いを皮切りに次々と戦功を上げ続けた第54連隊は、ついに南軍拠点フォート・ワグナーの攻略を命じられる。北軍の艦砲射撃にびくともしない頑強な要塞の周囲には援護物もなく、進撃路はたった1個連隊しか通れない構造になっていた。

覚悟を決めたショウ大佐は遺書を用意し自ら先陣を切って突撃する・・・。

解説

「米国映画史上最も時代考証に力を入れた作品」と言っても偽りのないくらい凄い出来です。服や装備品はコレクター達の協力により当時の本物が集められ、セットも全て当時の資料に基づいて作られたそうです。それからCGとおぼしき部分が大変少なく感じました。これは大変良い傾向で、私としては嬉しい限りです。なにしろ今時のハリウッド映画って上映時間100分中120分くらいCGが入っていますからね(苦笑)。

この映画を見たことのある人は「ラスト・サムライ」を見た時にニヤリとしたかも知れません。射撃訓練でモタモタする新兵に対し指揮官が拳銃を突きつけ「早く撃て!早く!」と脅すシーンがそっくり頂戴されていました。当時、優秀な兵は1分間に3発撃って外さないとのこと。先込め銃でそれをやるのですから昔の軍隊って職人芸のような世界です。私も火縄銃を持たせてもらったことがありましたが現代の銃に比べてバランスが悪く、とうてい命中させられそうにありません。

やたらめったら反抗的な態度をするトリップ二等兵という役をデンゼル・ワシントンが好演しています。「戦火の勇気」では公正な気質の軍人というイメージがありましたが、この映画では古き良き時代の不良(笑)として良い味を出しています。

黒人兵の中でもリーダー的存在のジョン・ローリンズ軍曹(モーガン・フリーマン)が曹長昇進に伴い軍刀を授与されるシーンが有ります。旧日本軍で言うところの曹長刀でしょうか。彼も軍刀組の仲間入りをしてからぐっと存在感が変わってきます。現場を仕切る下士官は彼以外にいないでしょう。

そのほかにも名脇役がたくさんいます。英国出身で黒人嫌いの訓練曹長、白人と共に育った教養高いトマス・シャーレス伍長(アンドレ・ブラウアー)、口下手で射撃の名手ジュピター・シャーツ二等兵(ジミー・ケネディ)、みんな個性派揃いで退屈しません。

 

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すげー近い交戦距離(怖)

左は銃撃戦 右は銃剣突撃直前の様子

 

日本版DVDを入手しましたところ、ショウ大尉(後に大佐)の吹き替えが神谷明になっていました。また、解説は大変参考になりますので、入手した方は是非ご一読あれ。

 

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最終更新日: 2010/10/22

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